正論

12月24日。4歳になる息子が国語辞典の１ページを破り捨ててしまった。『新明解国語辞典第七版』819ページ〜820ページの一枚分が抜けた新たな国語辞典の出来上がりだった。せいや【征野】「戦場」の意の古風な表現。から せがき【施餓鬼】［仏教で］餓鬼道に堕ちた死者や無縁の死者のためにする供養。までがすっぽりと抜け落ちてしまったのだ。

吾輩の辞書に「整理」はない。

子供はそう言い、部屋の片付けをしなくなった。それでもきちんと整理しなくては僕たちの生活は成り立たないだろう？と子供に言うと、子供は言った。

吾輩の辞書に「正論」もない。

次の日、子供がパパ、僕のプレゼントは？と尋ねた。僕は答えた。

我が家の辞書に「聖夜」はない。