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「夢という字は、草冠と四のような字で蓋をされた下に夕という字が置かれているでしょう。草冠は草です。四というのは、囲いか、柵のように見えはしませんか? 蓋は平らにならされていて、もはや地面そのもののようではありませんか?
だからこれは花壇なんです。そしてこの夕という字。人がぐったりと頭を下げた姿に見えてくるでしょう。
それが夢なんです。
象形文字的分解を施せば、この文字の意味が分かってきます。
そう。これは墓です。夢とは死者の恨みなんです。葬った者がそれを夢と名付けたんです。睡眠はかつて死と同じ事とされていました。そのとき見るのが夢だった。夢と死は切り離せない物でした。そして、それはいつも、敗者の慰みだったのです。
あのブランコの後ろの花壇がありますね? ひょっとしたら、夢の象形文字的分解による解釈を裏付ける何かが、葬られているかもしれません」
だからこれは花壇なんです。そしてこの夕という字。人がぐったりと頭を下げた姿に見えてくるでしょう。
それが夢なんです。
象形文字的分解を施せば、この文字の意味が分かってきます。
そう。これは墓です。夢とは死者の恨みなんです。葬った者がそれを夢と名付けたんです。睡眠はかつて死と同じ事とされていました。そのとき見るのが夢だった。夢と死は切り離せない物でした。そして、それはいつも、敗者の慰みだったのです。
あのブランコの後ろの花壇がありますね? ひょっとしたら、夢の象形文字的分解による解釈を裏付ける何かが、葬られているかもしれません」
ミステリー・推理
公開:18/09/02 16:33
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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