帆布ジャック
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都会の喧騒から逃れ、自然の中で思うがままに筆を走らせていると、突然絵画の中から女性が現れた。
「どうも」
「うわあ」
驚いた拍子にバランスを崩して、僕は椅子から転げ落ちた。
「あなた、クリムトさんですよね」
あまりの衝撃に声を出せないでいると、返事を待たずに彼女は勝手に喋りはじめた。
「あたし、二百年くらい未来の人間なんです。日本の大学で美術を専攻しているんですが、ちょっと色々ありまして、このキャンバスは私が乗っ取りました。絵画の中の世界を覗かせてください」
そう言うと彼女は絵画の中をちょこまかと動き回った。水色の家から出てきた隙に僕は彼女に尋ねた。
「僕の絵は二百年後、どうなっているのでしょう」
彼女は力強く答えた。
「めっちゃ人気ですよ。来年日本で特別展やるんです。あっ!未来のこと話したら強制終了だった!また卒業できないー!」
叫びとともに彼女の姿は消え、あたりは静寂に包まれた。
「どうも」
「うわあ」
驚いた拍子にバランスを崩して、僕は椅子から転げ落ちた。
「あなた、クリムトさんですよね」
あまりの衝撃に声を出せないでいると、返事を待たずに彼女は勝手に喋りはじめた。
「あたし、二百年くらい未来の人間なんです。日本の大学で美術を専攻しているんですが、ちょっと色々ありまして、このキャンバスは私が乗っ取りました。絵画の中の世界を覗かせてください」
そう言うと彼女は絵画の中をちょこまかと動き回った。水色の家から出てきた隙に僕は彼女に尋ねた。
「僕の絵は二百年後、どうなっているのでしょう」
彼女は力強く答えた。
「めっちゃ人気ですよ。来年日本で特別展やるんです。あっ!未来のこと話したら強制終了だった!また卒業できないー!」
叫びとともに彼女の姿は消え、あたりは静寂に包まれた。
その他
公開:18/08/31 22:23
更新:18/08/31 22:47
更新:18/08/31 22:47
北海道出身です。
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