靄を感じて浮かされて
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学生時代、意識を飛ばして窓の外を眺めた横顔には何とも言えぬ美しさがあっただろう。わたしが覚えているそれは目的があったわけではなく、ただひたすらに――流れ動く雲の様子だとか、グラウンドで体育の授業をやっている生徒だとか、ああ今日は暑いなあということを瞳にだけ映して感じていた。
なあ、もうわたしにはそんな時間がなくなってしまったのだ。休憩時間、決まった味のパックジュースに喜びを感じることも、上靴の踵を踏む高揚感も、些細なことで白熱できた議論も、もうそのようなものがわたしにはないのだ。どこへ消えてしまったのだろうね、わたしはわたしであるというのに。いつの間にこんなつまらない人間になってしまったのだろう。もうあそこへは戻れぬのか。戻れぬのなら、せめて懐かしむこの気持ちだけでも、このままであってはくれないだろうか。
なあ、もうわたしにはそんな時間がなくなってしまったのだ。休憩時間、決まった味のパックジュースに喜びを感じることも、上靴の踵を踏む高揚感も、些細なことで白熱できた議論も、もうそのようなものがわたしにはないのだ。どこへ消えてしまったのだろうね、わたしはわたしであるというのに。いつの間にこんなつまらない人間になってしまったのだろう。もうあそこへは戻れぬのか。戻れぬのなら、せめて懐かしむこの気持ちだけでも、このままであってはくれないだろうか。
青春
公開:18/08/31 21:23
更新:18/08/31 21:33
更新:18/08/31 21:33
始めてみました。たぶん気楽に生きています。
twitter - @takamesyu
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