「トントン」
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真夜中、一組のカップルが仲睦ましく手を繋ぎながら神社を散歩していた。
トントン。
背後から誰かに肩を叩かれたと思った彼が振り返る。
「ひっ!」
「どうしたの?」
「オバ、オバ、オバ……」
彼が彼女に視線を移し、口をパクパクさせている。
「誰がオバチャンよ。失礼ね」
「ち、違う違う! 今、後ろに……」
「あぁ。ここ、墓場が近いからね」
「へ?」
「オバケでしょ? そんなの、あっちこっちにいるわよ」
彼女の言葉にあたりを見渡す彼。そこには無数のオバケたちが……。
「ぎゃっ!」
トントン。
再び肩を叩かれた彼が振り向くと、頭のない彼女が立っていた。
「お、おま……あ、頭は?」
「こっちよ。早く行こうよー」
彼が声のした方を見る。視線の先にはニヤリと笑みを浮かべた彼女の頭。その首元から出ている脛椎をバネのようにして、ぼんやり浮かび上がった神社の階段を登り始めていた。
トントン、トントン。
トントン。
背後から誰かに肩を叩かれたと思った彼が振り返る。
「ひっ!」
「どうしたの?」
「オバ、オバ、オバ……」
彼が彼女に視線を移し、口をパクパクさせている。
「誰がオバチャンよ。失礼ね」
「ち、違う違う! 今、後ろに……」
「あぁ。ここ、墓場が近いからね」
「へ?」
「オバケでしょ? そんなの、あっちこっちにいるわよ」
彼女の言葉にあたりを見渡す彼。そこには無数のオバケたちが……。
「ぎゃっ!」
トントン。
再び肩を叩かれた彼が振り向くと、頭のない彼女が立っていた。
「お、おま……あ、頭は?」
「こっちよ。早く行こうよー」
彼が声のした方を見る。視線の先にはニヤリと笑みを浮かべた彼女の頭。その首元から出ている脛椎をバネのようにして、ぼんやり浮かび上がった神社の階段を登り始めていた。
トントン、トントン。
ホラー
公開:18/09/01 12:20
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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