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「コンタクトの方がいいよ」
 彼の言葉を思い出し、ベッドの上で一人にやける。眼鏡を外し、鏡の中の自分と目を合わせてみる。
 コンタクトを装着しようとして、思わず手が止まった。異物が眼界に入った刹那、恐怖で指頭が固まってしまうのだ。
 嘆息すると同時に、ある考えが脳裏によぎった。コンタクトができないなら、その必要もないほど視力を回復させればいいのだ。
 私はさっそく調査のため、パソコンを起動した。

 それから一ヶ月、目に良いとされる食材は全て試したし、マッサージも毎日欠かさず行っている。
 だが、視力検査の結果は不芳だった。きっと、まだ努力が足りないのだろう。
 さらなる方術がないか調べるため、私は今日も寝る間を惜しんでパソコンに向かった。
その他
公開:18/09/01 08:09

青木ウミネコ( 東京都 )

二十代半ば、会社員のかたわら執筆しています。
まだ拙い部分もありますが、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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