男の目線

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「自由になりすぎると辛いものね。
政略結婚が常の時代なら、きっとこんなに苦しんだりしなかった。生まれるのが遅すぎたわ。それか、早すぎたのかしら。とにかく今じゃなかった。」
未練がましく、捲し立てるように早口で喋る女の声を、男は何も言わずに聞いていた。目の前にあるこの黄色い花が咲き乱れる庭園に身を沈めて、静かに暮らしたいとぼーっと考えていた。古いウィスキーの香りが鼻を掠めて、店の薄暗いスポットライトに照らされる自分がひどく滑稽に思えた。女の声はもう聞こえなくなっていた。
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公開:18/08/31 23:52

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