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隆夫は宝石を撒き散らしたような夢から覚めると、ベッドの中で自分が一匹のトカゲになっている事に気付いた。
あたりにはキラキラとした鱗が散乱している。
「どっちが夢で、どっちが現実かわかんねえな」
つぶやきが口から零れ出て、自分が喋れることに気が付いた。
「隆夫……まあ、綺麗な鱗ね」
隣で寝ていたサトミが鱗を拾いながら、俺の方を見る。
「キャッ、トカゲ」とか「げ、トカゲ」とか、そういったことは何も言わない。サトミはサトミだ。コイツらしい。
「売れそう」
サトミは鱗を持って出掛けていった。
2、3時間して戻ってきたサトミは、
「売れなかった」
少し残念そうな顔で言いながら、俺の鱗を剥ぎ取る。
「でも綺麗」
1枚、2枚、3枚。伸びた爪で次々と。
撫でるように、しかし瞬間荒々しく。
「隆夫、愛しているわ。私だけのもの」
鱗が剥がれて、夢剥がれて。
夢でも現実でも俺ぁヒモさ。どっちも変わりゃあしねえ。
あたりにはキラキラとした鱗が散乱している。
「どっちが夢で、どっちが現実かわかんねえな」
つぶやきが口から零れ出て、自分が喋れることに気が付いた。
「隆夫……まあ、綺麗な鱗ね」
隣で寝ていたサトミが鱗を拾いながら、俺の方を見る。
「キャッ、トカゲ」とか「げ、トカゲ」とか、そういったことは何も言わない。サトミはサトミだ。コイツらしい。
「売れそう」
サトミは鱗を持って出掛けていった。
2、3時間して戻ってきたサトミは、
「売れなかった」
少し残念そうな顔で言いながら、俺の鱗を剥ぎ取る。
「でも綺麗」
1枚、2枚、3枚。伸びた爪で次々と。
撫でるように、しかし瞬間荒々しく。
「隆夫、愛しているわ。私だけのもの」
鱗が剥がれて、夢剥がれて。
夢でも現実でも俺ぁヒモさ。どっちも変わりゃあしねえ。
その他
公開:18/08/30 20:06
構成の凝った作品が好きです。
雑絡みOK!
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