北の発祥料理

私はスープカレーが大好きだ。しかし辛いものが苦手だ。この大いなる矛盾は不思議な現象を引き起こす。
「辛さは幾つにしますか？」
店員さんの質問に対する答えはいつも『ゼロ』だ。辛味抜き、スパイス抜き。そうして注文通り運ばれたスープカレーは、写真のものより少し薄い。
【私は何を食べているのだろう？】
時々考える。スパイスゼロならもはやそれはただのスープじゃないのか。謂わば多大なるスープカレー屋に対する挑発行為にあたるのではと私は考える。しかし、何故かスープカレーが好きだ。
あの、独特の風味。野菜と鶏肉の旨味の融合体。頭の芯からぼんやりして気持ちよくなる感じがたまらなく好きなのだ。
「ねぇ、何入ってんの？やばい粉入ってんの？」
ってくらい酩酊感があるのだ。風邪をひいた時には効果抜群で、私の思考回路はネジ外れを起こし、あっちこっちに分解される。この感じがたまらないのである。大丈夫、薬じゃないはずだ。