甘乞い
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世界を掛けて回る言葉遊び人がいた。舌世の言葉たちを口説く旅。
男の口にかかれば、すべて上手いこと言った。
語尾砂漠、韻土、洒落神戸。
様々な土地を旅しても、男には忘れられない言葉があった。
故郷だ。
ショーウィンドに詩的なワードを見かけては、愛する故郷によく例えたりした。
旅を終えた男は故郷に帰り着いた。ひどい有り様だった。
長くアイデアが降らず、創作物は枯れ、村人の頭も固くなり石化していたのだ。
男は甘乞いをすることにした。甘い言葉を捧げ、甘雲を呼ぶ古くからの儀式。
休みなく、空を甘くて上手い言葉で口説く男。
何日めだろう。
男の言葉が響いたか、吹き出しのような甘雲が現れた。甘雲は語呂語呂鳴り、やがて字が降ってきた。
字は大地の栄養文となり、華が咲き、文脈は流れ、村人も閃いた顔だ。
安堵した男は座り込んだ。
遊び疲れたのか、指輪にしていた宝物の句点を置くと、もう何も言わなくなった&。
男の口にかかれば、すべて上手いこと言った。
語尾砂漠、韻土、洒落神戸。
様々な土地を旅しても、男には忘れられない言葉があった。
故郷だ。
ショーウィンドに詩的なワードを見かけては、愛する故郷によく例えたりした。
旅を終えた男は故郷に帰り着いた。ひどい有り様だった。
長くアイデアが降らず、創作物は枯れ、村人の頭も固くなり石化していたのだ。
男は甘乞いをすることにした。甘い言葉を捧げ、甘雲を呼ぶ古くからの儀式。
休みなく、空を甘くて上手い言葉で口説く男。
何日めだろう。
男の言葉が響いたか、吹き出しのような甘雲が現れた。甘雲は語呂語呂鳴り、やがて字が降ってきた。
字は大地の栄養文となり、華が咲き、文脈は流れ、村人も閃いた顔だ。
安堵した男は座り込んだ。
遊び疲れたのか、指輪にしていた宝物の句点を置くと、もう何も言わなくなった&。
ファンタジー
公開:18/08/31 14:18
☆そるとばたあの400字SSは、『ミュージシャンが曲を作るように物語を描く』をコンセプトとしております。
ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語に挑戦中です!
☆拙作のプレイリストを選んでいただきました!
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