眠りから覚めたら

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「この呪いは1000年しないと解くことはできぬ」

……目が覚めると、体がずっしり重かった。そちらを見やり、愕然とした。横たえている体には、苔や草がこれでもかと生えている。「なんだこれは。」つぶやいた声は跳ね返り、複数回反響した。俺は誰だ?一体何があった?

ーーー
「見てごらん。あの山、男の人が寝てるみたいだろ?この辺じゃ寝助山って呼ばれてる。」「本当だ。でも、お父さん。あの山、目を覚ましたよ。」「はは、何を冗談………!?」

信じられないが、本当に山が人のように動いている。巨人の出現と報じられたこの事件は世間を騒がせたが、すぐに収束した。

ーーー
昔、平助という若者は旅に出た。ある日、道の真ん中に美味しそうな饅頭が。食べると見る間に背丈が100倍に増えた。「おのれ。わしの大事な道具を。だが仕方ない。呪いが解けるまで、人間にとって気の長い時間だ。眠らせてやろう。」帰ってきた女が言った。
ファンタジー
公開:18/08/28 17:14
更新:18/08/30 05:57

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。

104.がおー

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