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ちりばめられた黄色い小花に
生まれた街を思い出す
北の街 炭鉱のまち

みんな生き生きと、懸命に暮らしていた

父は、ソ連に強制労働のため連行されるところを
逃げ帰ったという

母は、家族10人で渡った満州で
両親 兄弟を亡くし
幼い妹を連れ3人で戻ってきたという

街は活気にあふれていた

みんな
生きていることの歓びを謳歌していたにか

悲しすぎる思いを振り払おうとしていたのか
 

半世紀も前の記憶

記憶はあまりに遠いと
夢の中の出来事との境目をさまよう

父も母も
記憶を夢の中にしまおうとしていたのだろうか

黄色い花のこと
「やまぶき」とよばれていた花・・と思う

穏やかに淡々と咲いていた

北の街
もう一度、行ってみたい

・・行ってみたら
記憶も夢もどこかに あっさりとかたづけられてしまいそうで

行けない街
その他
公開:18/08/28 16:05

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