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その日家を出た。

鍵をかけ、いつものところに鍵を隠した。
木漏れ日がきらきら輝いて、とてもきれいな、気持ちのいい日だった。
ゆっくりと歩いて、その場所に向かった。
足下にはたくさん花が咲いていた。
見上げると青空と白い雲が見え隠れしていた。

時折どこかで鳥が鳴いている。何の鳥かは分からない。よく通る高い声。

空の青と森の緑が不思議な模様を描いていた。
いろんな花の香りが漂っていた。
ゆったりとした気分で、足の向くまま歩いた。
澄んだ空気の中、木々の隙間から光の粒がこぼれて心地良かった。
いつものように、鍵のかかっていない扉を開いた。

その日僕は家に戻った。
その他
公開:18/08/29 22:22

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