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「よくぞ戻った、勇者クリムトよ。見事に森に棲む魔女を倒したそうじゃな」
「国を守るため当然のことをしたまでです」
「隠れ家を見つけただけでなく退治してしまうとは。さすが私が見込んだだけのことはある」
「お褒めに預かり光栄です」
「さて、褒美のことじゃが――」家来が大きな木箱を持ってきた。
「開けてみよ」
クリムトが蓋を開けると、黄金色に輝く……丸いものが詰まっていた。
「これは一体……」
「栗饅頭《くりまんじゅう》じゃ」
「は?」
「栗饅頭じゃ。そなたが大好物の」
「……はい?」
「ほら。ドラえもんがどら焼きが好きなのと同じシステムじゃろ? 栗饅頭、好きなんじゃろ?」
「いえ、和菓子はむしろ苦手、ですが」
「何じゃと? 国費の半分を使って栗饅頭を買い占めたというのに!」
うおおおおおお。
クリムトは怒りのあまり魔王へと姿を変えた。
そのまま魔女の家に引きこもり、二度と出てこなかった。
「国を守るため当然のことをしたまでです」
「隠れ家を見つけただけでなく退治してしまうとは。さすが私が見込んだだけのことはある」
「お褒めに預かり光栄です」
「さて、褒美のことじゃが――」家来が大きな木箱を持ってきた。
「開けてみよ」
クリムトが蓋を開けると、黄金色に輝く……丸いものが詰まっていた。
「これは一体……」
「栗饅頭《くりまんじゅう》じゃ」
「は?」
「栗饅頭じゃ。そなたが大好物の」
「……はい?」
「ほら。ドラえもんがどら焼きが好きなのと同じシステムじゃろ? 栗饅頭、好きなんじゃろ?」
「いえ、和菓子はむしろ苦手、ですが」
「何じゃと? 国費の半分を使って栗饅頭を買い占めたというのに!」
うおおおおおお。
クリムトは怒りのあまり魔王へと姿を変えた。
そのまま魔女の家に引きこもり、二度と出てこなかった。
ファンタジー
公開:18/08/29 21:15
クリムトさんごめんなさい
応募できないやーつ
おっさんになりましたが、夢は追い続けます
「小説は短く、人生は永く」
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