チャイムの音がした

ピンポーン
チャイムの音がした
どちら様ですか。
私は寝ぼけ眼で玄関の扉を開けた。すると酔っぱらった中年が顔を出した
うぃっ、俺だよ、俺。この家のご主人様ですよ。毎回、遅くなって申し訳ありません。
またですか。あなたの家は３階の奥ですよ
はぁ～、そうでしたか。うっかり、うっかり
私は玄関の扉をそっと閉めた。

しばらく経った頃
ピンポーン
は～い、どちら様ですか
えっ、ここ、私の部屋のはずだけど
あの～、あなたは五階の部屋だったと思うのですが
あら、エレベーターで降りる階を間違えたみたい。ごめんなさいね
私はまた、扉を閉めた。

五分後
ピンポーン
またか、今度は誰だろう
私、こう言う者です
ああ、警察の方ですか。こんな真夜中に何かあったのですか
ええ、その通りですよ。この部屋に知らない人が住み着いていると住人から通報がありまして。身分証はお持ちですか。
あなたの家は向かいのアパートですよ