豪雨の日

そこはあまりにも山の方にあるので坂道で、今日のように雷が鳴って、たくさんの雨が降ると、いとも簡単に川ができる。

水の吸収されないアスファルトの上の濁流を遮りながら信号を渡るのは、すごく難しいことだから、用心深く用心深く、前へ進むのだけれど、そんな時ほどあの信号はすごい速さで赤信号に変わってしまう。

その信号を通り終えても、その先にまた信号があって、信号を待つ間、あまり最前に立ちすぎると、車のあげる水しぶきが、私の足元を全部濡らしてしまう。

そうなるとこちらももう、やる気というやる気だったり、踏ん張って前に進もうっていう勇気だったりがかき消されてしまって。もうなんだってよくなってしまったりする。


雨の日に。そう、豪雨の日に。赤信号は、輝いて見える“将来”や“夢”なんてものより遠く長く感じて。それと同じようにひどいものだよね、私たちがこんなに長い人生を生きなくてはならないことは。