明日は今日

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最近の猛暑にすっかりやられてしまって僕は今日が明日なのか、明日が今日なのかわからなくなってしまった。

友人にこれを話すと、お前はすでに熱に侵されていて普通じゃない、一度病院に行けと言われた。

それもそうだな、それにもし友達が同じ事を言い出したらまず間違いなく僕も病院を勧めるだろう。そう思って街の外れの小さな診療所に行く事にした。

手早く初診の問診票を書き診察の順番を待つ。僕の他にも数人の患者がいた。時刻は夕方の16時を回ったところだった。

病室に入った僕は、医師を見て驚いた。自分と全く同じ顔をしているのだ。いやしかし、もしかしたらこれこそが熱に侵されている証拠なのかもしれない。

医師は「大丈夫、僕は明日の君だから」と言う。

いよいよおかしくなって来たと不安に苛まれていると医師が処方箋に何やら書き始めた。


「現実なんて所詮夢みたいなもん」


僕はやけに胸がスカッとした。
その他
公開:18/08/27 13:53

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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