森ガールだった

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今より少しだけ、過去の話。街中で森ガールと呼ばれるファッションが流行しました。

流行りの真っ只中に青春を謳歌していた少女達のクローゼットには、生成り色とレースと編み上げとシフォンが溢れました。

少女は、美術館で見た花に囲まれた森の中の青い家に住み、いつか王子様が迎えに来てくれるのを夢見ながら、受験や就職、ぼんやりとした現実的な未来が近づいて来るのに気付かないフリをして暮らしていました。箸が転がるのを見つめながら、沢山、沢山笑って過ごしました…

平成最後の夏が訪れる頃、もう街に森ガール達はいませんでした。森ガールだった少女達は森を捨てて、オフィスカジュアルやエプロンや、それぞれの新しい戦闘服を身に纏い現実世界と戦っているのです。

とある美術館で、懐かしい絵を見ました。少し開いた青い扉から、垢抜けないウェービーヘアの森ガールだった私が手を振ります。私は微笑み、静かに扉を閉めました。
青春
公開:18/08/27 05:52
更新:18/08/31 23:42

イロハマイ( トーキョー )

普段は曲を作って歌ってます。
妄想と空想が好きです。

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