ボクの声

最近、ボクたちを見に来る人たちが増えたんだ。なんでかなぁ？　見るだけなら良いんだよ。でもね、みんな難しい顔して考え込んでるの。怖いからやめて欲しいんだけどねー。
あ、また誰か来た。こんにちはー。あんまり睨まないでね。ボクの声が届いてますかー。
ねぇ、どうかな？　ボクのパパとママは仲良しでしょ。こうやって、いつも手を繋いでいるんだよ。でね、ボクを見つけると腕を上げてくれるんだ。だからボクはトンネルを覗くように顔を出すの。するとね、心地よい風がフワーッと顔に当たるんだ。
良いでしょ、良いでしょー。とても気持ち良いんだから。
どう？　キミもやってみない？　ねぇ、そんな難しい顔してないでさ。ほらほら、やろうよー。
あーあ、どっか行っちゃった。ホントなんであんなに難しい顔しちゃうのかなぁ。ボクたちの見方を間違ってると思うんだ。もっと素直に自然そのままを楽しんで欲しいのに。

ボクの声、届くと良いな。