なにものこせなかった人へ
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N氏は死が近いことが分かっていた。平凡な人生だったが、悔いはなかった。
生まれつき幸せな性分で、遊びながら仕事を続け、出世しようという意欲はなかった。
「ああ、オレもそろそろ年貢の納め時か」
とN氏は弱音を吐いた。
「世の中には、大臣や社長になったり、勲章を受ける人も大勢いるが、オレはこれといった功績がなにもなく、表彰状1枚のこせなかったな。でもそれはオレが望んだこと。オレが死んでも悲しむ人がいないのはいいことだ」
とつぶやいた。
すると、そこに神さまがあらわれて言った。
「あなたの死を悲しむ人がここに一人いますよ。この絵は、なにものこせなかった人への贈りものです。この絵をあなたにあげましょう」
N氏は神さまがくれたその絵がとても気に入った。しばらくながめているうちに心が落ち着き、とても幸せな気分になってきた。
そして安らかな眠りについた。
生まれつき幸せな性分で、遊びながら仕事を続け、出世しようという意欲はなかった。
「ああ、オレもそろそろ年貢の納め時か」
とN氏は弱音を吐いた。
「世の中には、大臣や社長になったり、勲章を受ける人も大勢いるが、オレはこれといった功績がなにもなく、表彰状1枚のこせなかったな。でもそれはオレが望んだこと。オレが死んでも悲しむ人がいないのはいいことだ」
とつぶやいた。
すると、そこに神さまがあらわれて言った。
「あなたの死を悲しむ人がここに一人いますよ。この絵は、なにものこせなかった人への贈りものです。この絵をあなたにあげましょう」
N氏は神さまがくれたその絵がとても気に入った。しばらくながめているうちに心が落ち着き、とても幸せな気分になってきた。
そして安らかな眠りについた。
その他
公開:18/08/26 20:40
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