そりゃないぜ…

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俺の父はプロ野球選手でホームラン王の二つ名を持つ。
その息子である俺は、父から二代目ホームラン王の二つ名を受け継ぐため、幼いころから日夜野球に励んだ。
その甲斐もあって、今やバットは俺の体の一部だ。
腕の延長線として、俺の思うがままに操ることができる。
そして今日は俺のプロとしての初舞台。バットを構えて…打った!
俺の打った打球は大きく伸び、観客席まで届いた!
デビュー戦でいきなりのホームラン。俺のこれからの未来を象徴するようだ。
しかし審判の判定は厳しかった。
無情にも「デッドボール」を宣言する。
ちょっと待て!あの球は俺の体のどこにも触れていなぞ!
「あなたのそのバット、体の一部でしょ。実際、手とバットがくっついているじゃないか。いいかい、体はもっと大切にするもんだよ」
審判に諭された…
畜生、ホームランを打った時、バットは折れちまったってのに!
これじゃ骨折り損だよ…
そりゃないぜ…
公開:18/08/26 19:07

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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