土俵の上でプロポーズ
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相撲好きな彼女へのプロポーズはここでと決めていた。
遠距離恋愛を続けて三年が経つ。それも今日で、千秋楽だ。
両国国技館の土俵に、彼女と僕で向き合った。
「どうしたの、こんなところに呼び出して」
彼女の顔は笑っていた。分かってるくせに。
「あのさ」僕は意を決する。「二人で一緒に住もう」
「二人で一緒に相撲?」
「あ、いや、ちがくて」
「これはちょっと、物言いですね~」
「すみません」
「え、住まないの?!」
「あ、だからその」
あーもう! 僕は彼女に近づいて膝をつき、指輪を差し出した。
「あれ、土が付いちゃった」
そうからかってくる彼女の目は潤んでいた。
「僕と結婚してください」
「ありがとう。こちらこそ、よろしくお願いします」
涙を流しながら、でもしっかり手刀を切って、彼女は指輪を受け取る。
それから僕らはがっぷり四つで組み合って、優しく唇を合わせた。
遠距離恋愛を続けて三年が経つ。それも今日で、千秋楽だ。
両国国技館の土俵に、彼女と僕で向き合った。
「どうしたの、こんなところに呼び出して」
彼女の顔は笑っていた。分かってるくせに。
「あのさ」僕は意を決する。「二人で一緒に住もう」
「二人で一緒に相撲?」
「あ、いや、ちがくて」
「これはちょっと、物言いですね~」
「すみません」
「え、住まないの?!」
「あ、だからその」
あーもう! 僕は彼女に近づいて膝をつき、指輪を差し出した。
「あれ、土が付いちゃった」
そうからかってくる彼女の目は潤んでいた。
「僕と結婚してください」
「ありがとう。こちらこそ、よろしくお願いします」
涙を流しながら、でもしっかり手刀を切って、彼女は指輪を受け取る。
それから僕らはがっぷり四つで組み合って、優しく唇を合わせた。
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公開:18/08/27 23:09
更新:18/08/29 20:01
更新:18/08/29 20:01
ショートショートをロングロング愛しています。女性の髪はショートかセミロングが好きです。
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