クリスタルヒューマン

思春期の男三人がドライブをしながら、何やら話をしている。

A「なあなあ、もし透明人間になれるとしたら、完全な透明と触覚あるのとどっちがいい？」
B「そりゃ完全な透明だろ、壁でもなんでも通り抜けられるんだから、女子風呂にも入り放題じゃん」
A「でも、触れないんだぜ？ 見て終わりってのも寂しくないか」
B「あぁそっか…でもさ、いくら透明でも物体として存在したら捕まっちゃうリスクあるから危険だろ」
A「うーん、なかなかに難しい選択ですな。おい、おまえはどう？」
C「いや…特に透明になりたいとは思わないな」
B「なんの邪心も下心もないとは」
A「ピュアだな、心が澄んでるよ。おまえが本当の透明人間だな」

そのまま三人の乗った車は、東名高速道路を走り抜けていく。