絵の中の世界

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瞼の外から白や緑、黄色の光が通り抜けてくる。
眩しさに眉をひそめ、ゆっくり目を開く。

いつしか小さな木陰の中で眠っていたようだ。
何でこんなところにいるんだろう
ぼんやりした疑問と一緒に立ち上がる。
鳥のさえずりと陽光の暖かさが心地いい。
深呼吸をすると、草木の瑞々しい香りが全身に広がる気がした。

生い茂る植物の奥に、木造の家があることに気づく。
周りを可愛らしい黄色の小花で彩られている。まるでお伽の国に迷い込んだようだ。
「やあ、いらっしゃい」
一人の男性。
「私の絵を気に入ってくれてありがとう。どうかな、少しお茶でも」


……目が覚める。
絵画の中の世界を体験する機械。
その完成度に驚きながら、係りの人に尋ねる。
「絵の作者に会える機能もあるんで
すね。すごい」

彼はきょとんとして
いえ、そのような機能は……
と言った。

どこからか絵の具の匂いと、陽気な口笛がきこえた。
ファンタジー
公開:18/08/27 21:03
更新:18/08/28 20:49
北オーストリアの農家

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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