マスクの女

警察官である俺は今日もこの町に逃げ潜む窃盗犯を探していた。
「すいません。そのマスク、外してもらえませんか？」
マスクを着けた女性に声をかける。窃盗犯は女で顔をマスクで隠しているとの情報だ。だから俺はこうして道行く女性に声をかけている。
「どうしても外さないといけませんか？」
「申し訳ありませんがお願いします」
俺は頭を下げた。女性は渋々マスクを外す。
「私、キレ-」「美しい…」
女性が何かを言う前に俺は呟いてしまっていた。
彼女は口裂け女だった。しかし、とても美しい。どうかその大きな口で笑ってほしい。
そう思ったその時だ。
「泥棒よ！」
その声に振り向くとバックを抱え逃げる女がいた。犯人だ！
俺が走り出すも間に合わない！
「私に任せて」
そう言うと彼女はあっという間に窃盗犯を捕まえた。
「口裂け女は足が速いの」
そう照れ笑う彼女に俺はますます惚れた。
今俺は彼女を捕まえたくて仕方がない。