12
29
「明日、大きな台風がくるわよ」
引きこもりの姉が不機嫌そうな顔で言った。理屈はわからないが姉の天気予報は何故かよく当たる。なんでも頭や体の痛みで翌日雨が降るかわかるらしい。
俺はその言葉を村の仲間に伝えた。半信半疑だった仲間も村全体の風対策や家の補強を手伝ってくれた。
翌日、姉の予言通り、凄まじい台風が村を襲った。が、予言のおかげで被害は最小限に収まった。姉は一夜にして村の救世主となった。感謝の気持ちを伝えたいと村の長が訪れたが、人見知りの姉は俺以外の人に会うのを嫌がった。それが何故か姉を神格化させた。天気だけではなく、様々な悩みが姉の元に届けられた。姉は適当に答えていたが、何故か良い結果がもたらされた。知らない間に姉を慕う集団が生まれて、連絡役の俺も忙しくなった。
ある日、数百人の姉の信者が俺の家に押し寄せた。
「ぜひとも卑弥呼様をこの国の女王に」
目を覚ませ!
姉はただのひきこもりだ。
引きこもりの姉が不機嫌そうな顔で言った。理屈はわからないが姉の天気予報は何故かよく当たる。なんでも頭や体の痛みで翌日雨が降るかわかるらしい。
俺はその言葉を村の仲間に伝えた。半信半疑だった仲間も村全体の風対策や家の補強を手伝ってくれた。
翌日、姉の予言通り、凄まじい台風が村を襲った。が、予言のおかげで被害は最小限に収まった。姉は一夜にして村の救世主となった。感謝の気持ちを伝えたいと村の長が訪れたが、人見知りの姉は俺以外の人に会うのを嫌がった。それが何故か姉を神格化させた。天気だけではなく、様々な悩みが姉の元に届けられた。姉は適当に答えていたが、何故か良い結果がもたらされた。知らない間に姉を慕う集団が生まれて、連絡役の俺も忙しくなった。
ある日、数百人の姉の信者が俺の家に押し寄せた。
「ぜひとも卑弥呼様をこの国の女王に」
目を覚ませ!
姉はただのひきこもりだ。
その他
公開:18/08/25 11:38
更新:18/08/26 07:36
更新:18/08/26 07:36
後援会がある卑弥呼
スクー
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます