スミホ【コラボ】

葬儀会館の裏口からＫが出てくると、一人の女が後をつけた。
Ｋは裏組織のバイヤーとして葬儀会社の幹部と聖肉の取り引きをしていたのだ。聖肉はスミホという商品名で売買されていた。

Ｋが帰宅するとソファーに女が座っていた。
「琴乃。なぜここにいる。あの病棟は抜け出せないはずだ」
「怖ーいおじさんが出してくれたんだー」
「目的は何だ？」
「スミホ食べた〜い。焼いてお兄ちゃん」
「誰から聞いた」
琴乃はサイレンサーの銃口をＫに向けた。
「怖い顔しないのっ、いっしょに食べよ」
琴乃とは同じ病棟で知り合った仲だった。琴乃はＫを兄のように慕っていたが、Ｋは誰よりも恐れていた。
琴乃は、クライアントのスミホを全て焼き、平らげた。
「ごちでしたー」
「帰れ」
と同時に銃弾がＫの顳顬を貫通した。

「あ、もしもし葬儀屋さん？明日から琴乃が担当しまーす」

琴乃はスマホを置くと、ナイフでＫの耳を削ぎ、口に含んだ。