愛すべき博士
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ぼくは北オーストリアの農家で、K博士の助手をしている。
K博士は植物研究家で、その分野では有名な人物なのだが、訳有って、こんな郊外の農村で、植物園を営みながら、ひっそりと研究を続けている。
「買い出し、ご苦労様。街の方は賑わっていたかい?」
「ええ。久しぶりに街へ行くと、人の多さに圧倒されますね」
「きみ、まだ若いんだから、植物だけでなく、人と触れ合うことも大切だよ」
「そういう博士こそ、たまには外へ出てみてはいかがですか?」
「だが、私が出て行くと、なぜか花を見に来た人たちが逃げ去ってしまうんだ。…不思議だ」
「それは、博士が防護服に身を包んでいるため、怪しがられているからだと思います」
「仕方ないだろう。私は重度の花粉アレルギーなのだから」
K博士は植物研究家で、その分野では有名な人物なのだが、訳有って、こんな郊外の農村で、植物園を営みながら、ひっそりと研究を続けている。
「買い出し、ご苦労様。街の方は賑わっていたかい?」
「ええ。久しぶりに街へ行くと、人の多さに圧倒されますね」
「きみ、まだ若いんだから、植物だけでなく、人と触れ合うことも大切だよ」
「そういう博士こそ、たまには外へ出てみてはいかがですか?」
「だが、私が出て行くと、なぜか花を見に来た人たちが逃げ去ってしまうんだ。…不思議だ」
「それは、博士が防護服に身を包んでいるため、怪しがられているからだと思います」
「仕方ないだろう。私は重度の花粉アレルギーなのだから」
その他
公開:18/08/26 10:31
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