私のお客様

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「ねぇ、気付いてる?」
「ん?」
「あなたの人生、もうおしまいよ」
「おしまい?」
「うふふ。素っ裸で路地裏に放り出される、かもね」
「えっ? ま、まさか……ここ、ぼったくりバーなのか?!」
「あら? お金ないの?」
「い、いや……値段による、かな?」
「顔、青ざめてるわよ。可愛い。でも大丈夫、安心して。お金なんて必要ないから」
「ど、どういう事だ?」
「実はね、あちらのお客様から」
「へ?」
「はい、お札」
「そんな……」
「いつまでも私につきまとってんじゃないわよ!」


「ありがとうございました」
「いえいえ。お札、効きましたか?」
「ええ、とても。助かったわ」
「それは良かった」
「ねぇ、今度プライベートでお会いしません?」
「いやいや、本来ならばここに来るような身でもないですから……。それより、こういう事はよく?」
「そうねぇ。私、何故かあの類いのお客様が……」

憑いちゃうの。
その他
公開:18/08/25 23:45
あちらのお客様から幽霊 スクー お札(さつ)じゃないよ、 お札(ふだ)だよ。

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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