ねぇ、あなた

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あなたが描く姿が好きだった。
あなたに描いてもらう時間が愛おしかった。

あなたの描きたい世界に一番近づけるのは
私と知っていたのに
あなたが他の人を描くだけで
苦しくて胸がつぶれそうになった。

近くにいたけれどあなたはいつも遠かった。
私の心にも身体にも容易く触れることが出来るのに
あなた自身には触れさせてくれないなんて。


あなたと私の間には
ふたりにしかわからない何かが横たわっていた。


恋も愛も混ざりあった信愛。
ふたりだけの真実。

孤独では絶対に見ることのできない景色。

翼を授けてくれたのも
世界に連れていってくれたのも

あなた。あなたなのよ。

あなたが手の届かない場所に行っても
けっして引き留めたりはしない。


美しく響きあう物語は永遠だもの。


だからそんな顔をしないで。


今、広がりゆく天鵞絨の聲が聴こえるでしょう。


ふたりが生きた証のこの庭で。
恋愛
公開:18/08/23 03:34
更新:18/08/23 03:56

マリー

✿〜・言葉をあつめて花束を・〜✿
 

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