書き散らし
7
24
夏の終わりか、夢の途中か。
サンレーザーが降り注ぐグレーの渡しから逃れ、サンバイザーの要らぬ屋根の下に滑り入る。
三分の力で、酷暑爆発を紛らわすことはできるだろうか。
人の往来に、オーライオーライやっていた若かりし頃、出会った人を思い出す。
麦わらに隠れた切れ長の目は、あるがままだったのか、作られたものだったのか。分からず終いだったなあ。
あの時、あの人は私を見ていなかった。先の私を見ていた。今の私。何者でもない私。見透かされていた私。
昔の私は何も持っていなかった。輝きだけを持っていた。
今の私は何でも持っている。輝きだけはどこかへ置いてきてしまった。
あの人に会いたい。でも会えない。今の私では、天秤が傾くだけだ。
本物の重さを持った分銅になりたい。あの人に釣り合うように。
零分。
緑のたぬきが私を待っている。
熱さは暑さを冷ますことはできないが、私の冷えた心を覚ますことはできたのかな。
サンレーザーが降り注ぐグレーの渡しから逃れ、サンバイザーの要らぬ屋根の下に滑り入る。
三分の力で、酷暑爆発を紛らわすことはできるだろうか。
人の往来に、オーライオーライやっていた若かりし頃、出会った人を思い出す。
麦わらに隠れた切れ長の目は、あるがままだったのか、作られたものだったのか。分からず終いだったなあ。
あの時、あの人は私を見ていなかった。先の私を見ていた。今の私。何者でもない私。見透かされていた私。
昔の私は何も持っていなかった。輝きだけを持っていた。
今の私は何でも持っている。輝きだけはどこかへ置いてきてしまった。
あの人に会いたい。でも会えない。今の私では、天秤が傾くだけだ。
本物の重さを持った分銅になりたい。あの人に釣り合うように。
零分。
緑のたぬきが私を待っている。
熱さは暑さを冷ますことはできないが、私の冷えた心を覚ますことはできたのかな。
ミステリー・推理
公開:18/08/23 02:50
構成の凝った作品が好きです。
雑絡みOK!
電子書籍発売中:
https://www.amazon.co.jp/undoodnu/e/B07MK93FWK
Twitter:
https://twitter.com/undoodnu
note:
https://note.com/undoodnu
タップノベル:
https://tapnovel.com/writers/15521
アルファポリス(漫画など):
https://t.co/dsJrZRgEKC
ベリーショートショートマガジン「ベリショーズ」参加&編集&IT技術顧問:
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PDJ6QPL
ログインするとコメントを投稿できます