花火が燃えて散りゆく間に、

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8月末に地元で開かれる花火大会、僕と妻の夏の終わりの恒例行事だ。

僕は花火なんて、あんまり好きじゃない。
盛り上がるのが、当たり前みたいな空気がいやだ。人混みが苦手だ、蚊に刺されるのが嫌だ。

はいはい、グダグタ言ってないで、出かけるわよ。

私、花火ってすごいと思うの。
だって花火が夜空に上がれば、みんな自然と見上げちゃうのよ。
どんなに忙しくたって少し手を止めて、悩みがあったって少し考えることをやめて、みんな少し嬉しそうな顔をしながらさ。

自衛隊もミサイルを撃つ練習よりも花火を上げる練習をすべきだわ、その方が平和を守れる気がするし、楽しいわよ。

「あ、始まった!」

子供のように、はしゃぐ君の笑顔に見とれて、
花火が燃えて散りゆく間に浮かび上がったあなたを数えて、今年も夏が終わる。

「ねえ、今年も素敵だったね。」
「うん、とっても。」
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公開:18/08/22 23:54
更新:18/08/23 00:01

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