呪われた家

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行方不明者続出の危険な家があると聞き、菅原達は捜査へと出かけた。淡青色の壁が目印の一軒家、目立った異質は感じられない。

「入りましょうか」

後輩の後藤が先頭に立って、中へ進み出る。扉を開けた瞬間、異臭が押し寄せてきた。

「死体の臭いか? いやこれは温泉の匂い? 何故こんな所に」

菅原は湯船に手をかけ、温度を確かめる。少し熱いが丁度いい温度だ。おもむろに服を脱ぎ、湯船に浸かろうとした。

「先輩罠ですよ!」

後藤の助言も空しく、菅原は肩まで浸かってしまった。案の定、中は泥で身身動きがとれない。

「皆泥風呂で溺れて死んだんですよ。だから遺体もない」
「でも着衣はないぞ?」
「それは」

突然壁がうなり声を上げた。声が止んだかと思うと、壁の中から何本もの手が這い出て、後藤を襲い、壁の中へと引きずり込んだ。

「母さんを養うのも大変だな」

菅原は身支度を整え、獲物を探しに行った。
ホラー
公開:18/08/23 23:07
更新:18/08/23 23:37

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