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「花火大会、中止だって」
彼女はがっかりした様子で俯いている。
「うん、残念だね……楽しみにしてたんだけど」
「ね……」
今日行われるはずだった花火大会は、夕方からの突然の雨で中止になった。
「浴衣もクリーニングに出さなきゃ」
雨に濡れた浴衣に触れて、彼女がため息をつく。
今日までの様子を知っているから余計いたたまれない。
しばらく歩いていると、急に立ち止まった。
「どうしたの?」
「やっぱりこのまま終われない。家に来て。花火やるから」
え、この天気で?
部屋着に着替えた彼女は、飴玉と水入りのコップを持ってきた。
「これ、花火飴っていうの。食べてもいいんだけど……」
そう言うと、電気を消してコップに飴を落とす。
水の中で、一筋の光がはぜる。
赤、黄、緑。様々な光がコップの中で花開く。
「ちっちゃい花火だ」
「そ、綺麗でしょ」
普段より近い二人の距離には、あえて気付かないふりをした。
彼女はがっかりした様子で俯いている。
「うん、残念だね……楽しみにしてたんだけど」
「ね……」
今日行われるはずだった花火大会は、夕方からの突然の雨で中止になった。
「浴衣もクリーニングに出さなきゃ」
雨に濡れた浴衣に触れて、彼女がため息をつく。
今日までの様子を知っているから余計いたたまれない。
しばらく歩いていると、急に立ち止まった。
「どうしたの?」
「やっぱりこのまま終われない。家に来て。花火やるから」
え、この天気で?
部屋着に着替えた彼女は、飴玉と水入りのコップを持ってきた。
「これ、花火飴っていうの。食べてもいいんだけど……」
そう言うと、電気を消してコップに飴を落とす。
水の中で、一筋の光がはぜる。
赤、黄、緑。様々な光がコップの中で花開く。
「ちっちゃい花火だ」
「そ、綺麗でしょ」
普段より近い二人の距離には、あえて気付かないふりをした。
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公開:18/08/21 20:26
更新:19/07/27 23:03
更新:19/07/27 23:03
花火
飴
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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