虹の橋

ペットは死後、虹の橋で飼い主を待つ。
その言葉通り、生前飼っていたペットが今、天国へと延びる虹の橋で死後の僕を待っていてくれた。
僕はそんな猫を緊張の面持ちで見つめる。
猫は２本足で立ち上がると両手を大きく広げ始める。僕は祈る。
猫は両手を頭上に持ち上げると…大きな〇を作った！
良かった！
先ほど僕の目の前にいた人が犬に大きな×を作られ、地獄へ落ちていった。
僕は安心し、足を踏み出す。
…そこに道はなかった。
よく見ると猫がその手の形を〇から×に変えていたのだ！
畜生！何でだ！僕はお前を可愛がっていたぞ！
地獄に落ちていく僕に死神がやってきて話しかける。
「貴方、新しい猫が欲しくてあの猫を邪険にしてましたよね？玩具のように扱っては餌もトイレの掃除もまったくやらなかった。そんなことで天国行けると思いましたか？地獄で反省してきてください」
ああ…こんなことならもっと優しくしておけばよかった…