心象風景の光

おやすみ、坊や。ここはハーブガーデン。いい香りの草花の風が吹く、お前の新しいおうちだよ。
ここにはうるさい車の代わりに、鶫や鶯が鳴いている。冷たい都会の隙間風は遠くに行って、暖かな日差しがお前を包む。お花畑に横たわって上をご覧。甘い実を下げた果樹園は、お前の為にあるんだよ。
おやすみ、坊や。安心しなさい。ここには飛行機はやってこない。砲弾も降ってこない。兵隊も。代わりに雨の音もない。お前訪れる人もいない。大丈夫、何にも怖くない。
だから、おやすみ坊や、目を閉じて。ここには悪い人はこない。怖い人も誰もこない。四角い景色はお前の風景、お前に捧げた故郷の風景。そこは誰もお前を傷つけない。奪わない。全てに守られて安らかに、お眠り坊や。
私もそこに行くからね。
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私は窓枠を見るような気持ちでその絵を見た。風や鳥や、花までもが生き生きと描かれ、深い木々が青い家を守る。その家に住むのは誰だろう。