自問自責

そうやって、怖いから寝るんでしょう。怖いから、何も考えない夢の中に寝ようとして、化粧もそのままで、何も出ない胃液を便器に吐いてから、君を何も言わずに休ませてくれるまくらと布団の中に落ちて、それがずるいってことは君が1番わかってるだろうに。そんなんじゃ、まくらも布団も迷惑だよ。君が長いこと外に出ないでいいように準備された温度の低いエアコンも。一ヶ月以上付けっ放しのツーウィークのコンタクトも。君のせいで無駄な仕事を無理強いされてるんだよ。その点についてはどう思ってるの？

そんなの、私もわかってんだけど、そんなのどうしろって言うの？私が1番、この回る地球のなかでつらい命なんだもん。

ほーう。君がそう言うなら言わせてもらうけど、君よりつらい命はたくさんあるんだよ。

今は言わないで。それだけは。私のこの命に、酔わせてほしい夜もあるんだよ。そんなの私が1番よくわかってる。ごめんね。どうか許して。