コウノトリ

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「お、重いです。天使様」
「落とすなよ!もっと真っ直ぐ飛べないのか。最近のコウノトリは根性なしでいかん。赤子を母胎に届けないで途中で捨てていくから、神さまに見張りを頼まれたんだ。ちゃんと届けるまで見張ってるからな!」

「着いた!あの小屋だ」

ピカーん!

オギャー、オギャー、オギャー!

「おー、見ろ!産まれたぞぉ。男の子だぁ」
「はい」
小屋の窓から赤子の誕生を喜ぶ夫婦の姿が見え、コウノトリも天使もほっと胸をなで下ろす。

「ふー、間に合ったぁ。」

花咲く庭を見まわし天使は言った。
「いい所だな。ここなら赤子もすくすく育つだろう。それにしても超高齢出産だな、爺さんと婆さんじゃないか。」

「はい、姥捨山ですから」
「捨てられてるじゃないか…」
その他
公開:18/08/20 23:59
更新:18/08/21 00:10

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