なんの取り柄もない男
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朝、出勤すると上司に小言を吐かれた。
「きみ、営業を頑張れないか。いまの成績は悪くないが、良くもない。可も不可もない、なんの取り柄もない成績だから評価しにくいのだ」
昼、同僚から話のネタにされた。
「この間の合コン、おまえを呼ぶか悩んだんだが、あっちが微妙な顔をしたからやめた。取り柄のない容姿だから、興味が持たれなかったんだろうなあ」
夜、親から電話があった。
「最近は顔を見せにこないね。ストレスが溜まらないように、趣味を見つけるといい。――え、おすすめ? うーん、おまえは取り柄がないからなあ」
深夜、私は布団に寝転がりながらため息をついた。
「人間、ひとつくらいの取り柄を持って生まれたかったな。ああ、不幸だ」
同じ頃、近場を怪しい二人がうろついていた。
「アニキ、あの家なんてどうですか」
「だめだ。あそこの家主、何の取り柄もない。忍び込んでも得るものはたかが知れている……」
「きみ、営業を頑張れないか。いまの成績は悪くないが、良くもない。可も不可もない、なんの取り柄もない成績だから評価しにくいのだ」
昼、同僚から話のネタにされた。
「この間の合コン、おまえを呼ぶか悩んだんだが、あっちが微妙な顔をしたからやめた。取り柄のない容姿だから、興味が持たれなかったんだろうなあ」
夜、親から電話があった。
「最近は顔を見せにこないね。ストレスが溜まらないように、趣味を見つけるといい。――え、おすすめ? うーん、おまえは取り柄がないからなあ」
深夜、私は布団に寝転がりながらため息をついた。
「人間、ひとつくらいの取り柄を持って生まれたかったな。ああ、不幸だ」
同じ頃、近場を怪しい二人がうろついていた。
「アニキ、あの家なんてどうですか」
「だめだ。あそこの家主、何の取り柄もない。忍び込んでも得るものはたかが知れている……」
その他
公開:18/08/19 22:51
更新:18/08/19 23:12
更新:18/08/19 23:12
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