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出勤途中、浮かれたオヤジにぶつかり気分最悪。会社じゃ何故だかみんな笑顔。全く…
ブースへ入ってヘッドセットをつけて、本日一人目の対応だ。
「はい。サポートセンターです」
ん? 声が聞こえない。ヘンな歌が邪魔をする。
システムへ連絡。
すぐにシステムの人がブースへ。こいつも笑ってる。作業中ずっと。全く…
「えー。とくに異常はありません」
「いえ。ヘンな歌がずっと聴こえてるんですけど。ホラ」
挑発的にヘッドセットを突き出す。
「それは、あなたですよ」
「は?」
「あなたの、鼻歌です」
理解不能、と思っていると、彼は記録音声を出力した。
「ね。あなたの鼻歌と同じでしょ」
波形まで出すな。
耳をふさぐ。鼻歌が聞こえてる。声を出すと鼻歌は止む。
「アゲアゲな曲ですね。なんて曲です?」
この質問で、私にはピンときた。
―あのオヤジか。
以来、私の周りはみんな笑顔だよ。全く…
ブースへ入ってヘッドセットをつけて、本日一人目の対応だ。
「はい。サポートセンターです」
ん? 声が聞こえない。ヘンな歌が邪魔をする。
システムへ連絡。
すぐにシステムの人がブースへ。こいつも笑ってる。作業中ずっと。全く…
「えー。とくに異常はありません」
「いえ。ヘンな歌がずっと聴こえてるんですけど。ホラ」
挑発的にヘッドセットを突き出す。
「それは、あなたですよ」
「は?」
「あなたの、鼻歌です」
理解不能、と思っていると、彼は記録音声を出力した。
「ね。あなたの鼻歌と同じでしょ」
波形まで出すな。
耳をふさぐ。鼻歌が聞こえてる。声を出すと鼻歌は止む。
「アゲアゲな曲ですね。なんて曲です?」
この質問で、私にはピンときた。
―あのオヤジか。
以来、私の周りはみんな笑顔だよ。全く…
ファンタジー
公開:18/08/19 22:42
更新:18/08/21 16:44
更新:18/08/21 16:44
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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