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目覚まし時計より先に起きるのは、いつもきまって楽しみな日だ。どうやら私の体はとんでもなく正直らしい。気の乗らない日はなかなかベッドから出られない。
快晴。秋のにおいを含んだ風が吹き始めている。エアコンなしでぐっすり眠れたのは久しぶりだった。
スマートフォンを手に取る。画面の一番上に、安藤隆の名前。おはよう、今日は楽しみにしているね。ありきたりのメッセージでもあるのとないのとでは大違いだ。私は嬉しくなる。そしておなじように寂しくなる。昨夜、彼はどうしていたんだろう。今は誰と朝ごはんを食べているんだろう。どうしようもないことを、わざわざ訊きたくもなかった。いつもこんな風だ。それでも私は安藤隆に会うことを楽しみにしている。仕方のないことだった。
鏡のなかの自分と向き合う。彼好みのナチュラルメイクを意識する。彼が一番会いたいと思う私で会いたい。もう、私だけで私は成り立たないことに気づいている。
快晴。秋のにおいを含んだ風が吹き始めている。エアコンなしでぐっすり眠れたのは久しぶりだった。
スマートフォンを手に取る。画面の一番上に、安藤隆の名前。おはよう、今日は楽しみにしているね。ありきたりのメッセージでもあるのとないのとでは大違いだ。私は嬉しくなる。そしておなじように寂しくなる。昨夜、彼はどうしていたんだろう。今は誰と朝ごはんを食べているんだろう。どうしようもないことを、わざわざ訊きたくもなかった。いつもこんな風だ。それでも私は安藤隆に会うことを楽しみにしている。仕方のないことだった。
鏡のなかの自分と向き合う。彼好みのナチュラルメイクを意識する。彼が一番会いたいと思う私で会いたい。もう、私だけで私は成り立たないことに気づいている。
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公開:18/08/18 08:58
更新:18/08/18 09:10
更新:18/08/18 09:10
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