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「白井さん、雰囲気変わったよね」
「うん。前はナヨっとしてたけど、男らしくなった感じ」
職場の女子社員のそんな声に、僕は誇らしい気持ちになる。
お盆休みに実家でもらってきた白い蚊取り線香を使って以来、僕は絶好調だった。
元来気弱な僕は、今まで仕事でもプライベートでも、なんでも相手に委ねがちだった。けれど白黒はっきりした今の僕は、ひと味違う。
「そっち手伝います」
以前なら先に伺いをたてていたことを、自ら申し出る。
自分の変化に確信を得た僕は、仕事終わりに彼女を呼び出した。
彼女が僕のプロポーズを期待しているのはわかっていた。今まではその勇気が出なかったけど、今ならいける。
「君のことはずっと待たせていたと思うし、こういうとき、どう言ったらいいかわからないんだけど……」
僕は意を決して彼女に向き直った。
「結婚しません」
そのとき、僕は自分の言葉から「か」が取れていることに気がついた。
「うん。前はナヨっとしてたけど、男らしくなった感じ」
職場の女子社員のそんな声に、僕は誇らしい気持ちになる。
お盆休みに実家でもらってきた白い蚊取り線香を使って以来、僕は絶好調だった。
元来気弱な僕は、今まで仕事でもプライベートでも、なんでも相手に委ねがちだった。けれど白黒はっきりした今の僕は、ひと味違う。
「そっち手伝います」
以前なら先に伺いをたてていたことを、自ら申し出る。
自分の変化に確信を得た僕は、仕事終わりに彼女を呼び出した。
彼女が僕のプロポーズを期待しているのはわかっていた。今まではその勇気が出なかったけど、今ならいける。
「君のことはずっと待たせていたと思うし、こういうとき、どう言ったらいいかわからないんだけど……」
僕は意を決して彼女に向き直った。
「結婚しません」
そのとき、僕は自分の言葉から「か」が取れていることに気がついた。
その他
公開:18/08/17 23:37
スクー
白い蚊取り線香
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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