天敵

ベットでスマホを見ている。たまたま、遊びで検索した言葉が「天敵」説明文には、天敵とは、特定生物の死亡要因となる生物種のことである、とある。そのサイトでは、キングコブラVSマングースの死闘の動画が添えられていた。
天敵と言えば、上記の組み合わせが筆頭に挙がるようだが、自然界では、これ以外にも多数の天敵の組み合わせがあるようだ。
はて、人間の天敵は、果たして何だ？「それは、人間だ」という答えは、当たり前過ぎてつまらない。いくつか候補が挙がるだろうが、最終的に、やはり「自然」ではなかろうか？人間は自然には、絶対にかなわない。
窓の外は、稀にみる大型台風の接近で、既に暴風雨圏内。怖さすら感じる、凄まじい風のうなり。窓ガラスを叩きつける、雨粒の数々。それは、まるで点敵のようだ。
ドアがノックされた。私はあわてて、ベットの下にスマホを隠した。
担当看護師が言った。
「あら、今回の『点滴』、落ちナイね」