頑張れ古書

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図書館にはいろんな年代の本がある。新刊の若造から古書の年寄りまで..。

「なんか臭くね?」新刊コーナーの一冊の若造が言う。
「臭い?」向かいの入庫7年目の中堅が答える。
「なんていうのかな、カビ臭いって言うかさ。あーあの辺りからするねー」と古典の棚を見て言った。
「ワシらのことか」
入庫62年目の古書が答えた。
「年齢に伴う匂いって・・そうそう加齢臭だよ、加齢臭」
何も言わない本たち。
「ほらみぃ、誰も何も言わねぇじゃん」
古書は悔しさいっぱいだった。

学生が論文を書く時期。中堅どころは大忙し。古書も健闘し独特の匂いに癒されると女子には大人気となった。

「なんで加齢臭が人気なんだ?俺の真新しい匂いの方がいいじゃん」と若造。「それは違う」と禁帯出棚の長老が言った。
「古書には落ち着きと冷静さ、そして渋さがある。お前には敵わん」
クッと全く見向きもされない若造は悔しさを噛み締めた。
ファンタジー
公開:18/08/18 18:36

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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