メイドの魔法2・1/4

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夢を見た。僕は縄で吊るされ、身動きが取れない。足元から声がする。薄暗くてよく見えないが、円卓の上には大きな鍋。それを取り囲む影たち。一様に押し黙っていて、沈鬱な雰囲気だった。
「贖わねばならぬ」
誰かが言った。
「この罪が許されるには、償いが必要だ」
「贖罪、また生贄か」
「仕方あるまい、犠牲もまた必然」
「空白は埋められねばならぬ」
その重苦しい空気に僕は、渇きを覚える。早く目覚めなければ!影たちは全員立ち上がり、僕を見上げて手を挙げた。
「夕食は豚の角煮よ☆」

「ブヒィ!」
僕は肩の衝撃に目を覚ました。なんだ、ママだ。
「寝てたの?もー、夜更かしするからだよ!」
起こされて、僕は安堵した。変な夢だった。深夜アニメの見過ぎかな?
【人間界の料理か、興味深い】
オムライスが僕の頭に乗っかって来る。お前まだいたのかよ。
(こっちも夢ならよかったのに)
【何か言ったか?】
「お前のことだよ」
ファンタジー
公開:18/08/19 18:08
更新:18/08/19 18:08
夢だけど、夢じゃなかった まだまだ始まらない冒険 予知夢(夕飯の) メイドの魔法2 2は承

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
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写真は全て自前でやっています(笑)

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