大義名分

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ある飛行機の片方のエンジンが空中でぶっ壊れた。悲しみながら飛行機は、エンジンが片方ぶっ壊れて落ちていくことを喜んだ。これで大義名分、もうこれ以上飛ばずに済む。

バードストライク。飛行機は実は、あの鳥と取り決めを決めていたから。それは偶然を装った必然だった。
「僕もう嫌なんだ。こんな風に飛び続けるの。疲れちゃったんだよね。」
鳥の言葉に共感した飛行機は、その鳥と仲を深めた。
「明日、フライトがあるんだ。君、バードストライクって知ってる?」
「...うん。」
「明日、右のエンジンに飛び込んでおいで。痛さなんて感じないくらい強力にエンジンを回してあげるよ。そして僕も落ちる。」

秘密の取り決め、涙の甘え。

エンジンの故障が起こった機体に、私は乗っていた。二人の取り決めを知っていたから。
 私は今、二人のおかげで、大義名分、疲れた人生を終えられた。
ファンタジー
公開:18/08/17 00:02
更新:18/08/26 00:48

sansan

憂鬱な人は気が合うかもしれません。私も基本憂鬱なので。ショートショートとかよく知りません。基本的に飲酒後に書いています、はは

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