ツァイガルニクの後味

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「来人連-くるとれん-」という名の作家がいる。
印象的な筆名もさる事ながら、彼の作品は全て未完で終了するという特徴がある。
そしてその終了直前には決まって、「ツァイガルニク」という人物が登場する。
流れを断ち切るようにページに現れ、物語の幕を強引に降ろす役割を持っていた。

この来人連という作家にはある秘密があった。
誰もその正体を知らないのである。
性別、年齢、出生、全てが謎に包まれている。
しかし、ある日事件が起こった。
何の前触れも無く来人連が公の場に姿を現したのだ。
唐突という事もあるが、その光景を目の当たりにした人々は一様に唖然とし、言葉を失ったという。
その中の一人が、当時の様子を語った。


「やぁ諸君。私はツァイガルニク。残念ながらこの話はここで終了だ。未完は想像を創造する。刺激的だろう? 来人連の正体を明かさないのも、諸君を慮っての事だ。ではまた会おう、さらばだ」
ファンタジー
公開:18/08/15 18:00
更新:18/08/15 17:50

ゴッペ

だいぶ休んでしまいましたが、またちょくちょく投稿できればといいなぁと思います。
コメントもありがとうございます。
どうぞよろしくおねがいします

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