パカッ!

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「うーん、卵うまく割れへんなぁ⋯⋯」
5才になるアリスちゃんは、ひとりで目玉焼きを作ろうと悪戦苦闘。
でも、なかなか卵をきれいに割ることができません。

「お困りのようだね!」
そこへ現れたのはハンプティ・ダンプティ。
窓枠の上にちょこなんと座っております。
「うーん、うまいこと割れへんねん⋯⋯」
「じゃ、アリスちゃんには魔法の指をプレゼントするよ!」
ハンプティ・ダンプティの促すままに、アリスちゃんは卵にそっと指で触れました。
パカッ!
「割れたぁ」
指で軽く触れただけで卵はきれいに割れました。
冷蔵庫の中にあるニワトリの卵、
パカッ!
ウズラの卵、
パカッ!
駝鳥の卵、
パカッ!
恐竜の卵、
パカッ!
と、どれもこれも指1本で簡単に割れました。
「お母さん、お母さん!」
アリスちゃんは嬉しさのあまり、まだ眠っているお母さんを起こそうとしました。
いつものように頭に触れて。
パカッ⋯⋯。
ファンタジー
公開:18/08/15 12:29
更新:18/09/17 16:10
不思議の国のアリス ハンプティ・ダンプティ

渋谷獏( 東京 )

(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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