漫才【むうぁんどぅ】

「むうさん、むうさん」
「何だ。申せ」
「骸骨のままで、不便はないですか？」
「ないぞ。むしろ快適だ」
「服とかどうするんですか？」
「着なくても良いぞ」
「骨だからおっぱい隠す必要もないですものね」
「セクハラ」
「食事は？」
「しなくても良いぞ」
「クリームとかたっぷりのケーキでも？」
「いらない」
「クリムトたっぷりのケーキでも？」
「クリムト！　いる！」
「よし、乗ってきた」
「さあ、連れていけ」
「え、どこへですか」
「北オーストリアだ」
「え、遠いですよ」
「これを使え。通り抜けむうぷ」
「何ですか、これ」
「壁を通り抜けられるむうぷだ」
「むうぷが良くわかりませんが、すごいですね」
「これで、あの農家にも侵入できる」
「なるほど」
「さあ、北オーストリアへ連れていけ」
「そんなすぐには無理ですよ」
「あまり私を怒らせない方が良い」
「申し訳ありません」
「わかれば良い。切腹」