予約の後輩くん(7)

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思えば今日は星占いが最下位だった。
ラッシュの改札に引っ掛かった。
カフェでコーヒーミルクがついてこなかった。

だからだろうか。実にひと月ぶりに会った彼氏の口から出る別れ話が、なんだかどうでもよく聞こえるのは。
「好きな子ができてさ、実はもう付き合ってる」
そういえば、三週間前くらいからあまり連絡がこなくなっていたような気がする。その頃は残業続きだったし頭も忙しかったから、あまり気に留めていなかった。
「俺そろそろ行くわ。店の予約があるから、悪いけど」
彼氏だった男は、私がぼんやりしている間にさっさと話を済ませ、伝票を掴んで腰を上げた。
ほどなくカランと出入り口のカウベルが鳴り、私はテーブルに一人になる。
私は彼の最後の言葉を反芻しながら、なんとも形容しがたい気持ちを持て余していた。
そのとき、ふわふわ漂う思考を覚ますように強くカウベルが鳴り、入り口には、息を切らせた水瀬君が立っていた。
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公開:18/08/16 00:02
予約の後輩くん →予約の後輩、水瀬くん 通し番号で交互に進みます

ゆた

高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。

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